WORK AS LIFE IN TAMBA 丹波で見つける、人・仕事・生き方【1】
きっかけは、金色に輝く黒井城の雲海だった
初めまして。名古屋在住の橘 紀子と申します。お試しテレワークの一環で、丹
波を訪れて魅力的な方々と出会ってお話を聞き、自分の仕事や生き方を考えて文章を書いています。
丹波市に来たのはこれで3回目。初めて来たのは・・・実は3ヶ月前でした。
それまで、丹波を訪れたことはなく、丹波市は京都だと思っていたぐらいで(本当、すみません)。たまたまお友達が主催するイベントに誘われたので、「知らないところへ行ってみようかな♪」というぐらいのノリで訪れたのがきっかけでした。
その初めて訪れた時に、一生忘れられない景色に出会いました。夜明け前から標高356mの黒井城に登り始めること20分。汗だくになりたどり着いた山頂の周りには一面の雲海。ちょうど朝日が昇り始め、金色に輝き始めたのです。
こんな景色、今まで見たことがなかった。すごい。私はそこから丹波の魅力にはまってしまいました。
丹波の魅力は自然だけではありません。人の魅力がすごいんです。皆さん気さくで、好奇心いっぱいで、世話好きで、一緒に楽しいことをするのが大好き。これにもはまってしまいました。
これは2回目に訪れた時の写真。
この時も元々の友達は一人だけ。後はみんな初対面。それなのに出会った端からまるで旧友に会った時みたいに語りに熱中できるなんて、面白すぎる!
その時の感動をFacebookに書いていたら、一般社団法人Be 代表理事の中川ミミさんに「お試しテレワークをやってみない?」と声をかけていただき、挑戦することにしたのです。
私がお試しテレワークをするなら、丹波に感動した心の動きを文章にしてみたい。そんな感じで始まったお試しテレワーク。名古屋から新幹線、特急を乗り継いで2時間半ほどで到着。意外と近いのですよ、名古屋と丹波。
また「丹波には、会いたい人々と見たい景色がある」と思えるようになったのも近く感じる理由。どこへでもすぐ行ける時代、物理的距離より心理的距離の方が大切なんじゃないかなって思います。
ほしいものだらけで財布の紐がぶっちぎれたハピネスマーケット
柏原駅に着いて、真っ先に向かったのは、柏原自治会館で行われる「丹波ハピネスマーケット」。いつもは柏原八幡宮の駐車場で行われている青空マーケットなのですが、寒さの厳しい1月2月は屋内で開催する初の試みだったそう。
webサイトで見ていて、ずっと行ってみたかったんです!やっぱりすごい~!美味しそうなもの、可愛いモノだらけで胸キュンキュンです。
最初っから財布のひもはぶっちぎれて、全会場を回り終わった頃には両手にいっぱいの紙袋。おいしいグルメでお腹もいっぱい。楽しかったわ~!
丹波ハピネスマーケットの主催者は、柏原商店街の店主さん達が中心となって結成された実行委員会。事務局運営は、「株式会社ご近所」という会社に委託しているそうなのです。
地方では、こういう運営サポートの仕事ってすごく重要らしい。そこで「ご近所」の取締役、恒松智子さんにお話を聞くことができました。
※恒松さんのインタビューは、近日公開!
センスあふれるセレクトショップに込められた思いに、涙…
さて、次に訪れたのは、「橘さん、このお店好きだと思う!」とミミさんに勧められた「三光堂」。
和菓子屋さん?時計とか、電器屋さん?レトロな名前だなと思いながら柏原商店街を歩いていくと・・・お店の前に到着。何ですか、ここは!めっちゃ素敵なセレクトショップじゃないですか!!
胸を躍らせながら階段を上がり、三光堂さんの店内に入ると…うわーーー!好きなものだらけじゃないですか。お洋服も好みだし、私、アンティークとか、器とか、大大大好きなんです!
また買い物モード、パワー全開、フルスロットルです。ほしいモノがたくさんあるって、本当に幸せな気持ちになるんです。でも、本当、何でこんなにセンスがいいんですか!
そこで、オーナーの竹内紀美子さんとお会いしてインタビューさせていただきました。このお店は、竹内さんが自ら、パリや韓国、日本国内へ行き、仕入れをして、お店にディスプレイして、接客しているそう。
そうして、お話を聞いているうちに、私、不覚にも思いが募って涙があふれてしまったのです・・・。竹内さんのがこのお店をオープンした思いを聞いて、私の迷いや悩みに寄り添ってもらったような気がしたのです。
今書きながら思い出して、泣いてしまいそうです(笑)。
※竹内さんのインタビューも後日公開。
「木の根橋」のバウムクーヘンから感じた、信念を貫くパワー
竹内さんのお店ですっかり「センスアップ」した気持ちになり(かわいいワンピースもゲットして)、次に向かったのは柏原で人気のバームクーヘン屋さん。
お店の名前…「まさかのさかゆめ」?
「良く間違われるんですよ(笑)!『まさゆめさかゆめ』なんです」と、オーナーの森山生子さん。森山さんは朗らかに楽しそうに、優しく話してくれます。
あれ?Googleで「まさゆめさかゆめ」を検索すると、大阪の日本料理店がヒットします。聞けば、そのお店も森山さんが立ち上げたそう。繁盛していたそのお店を信頼できる方に譲って、丹波に移住してきたのですって!
何でも、森山さんは、柏原八幡宮の前にある大きなケヤキの「木の根橋」に心を奪われ、柏原でバウムクーヘンのお店を開いたのだとか。
「ん?」最初はその文脈が分からなかったのですが、森山さんのお話を聞いているうちに、それがものすごく強い芯の通った話で、信念を貫き通してきたことが分かってきました。森山さんは、信念の人です。そしてとってもかわいい方なんです。
※森山さんのインタビューも後日公開。
楽し過ぎて【丹波み】あふれたフラワーハウスの夜
さて。宿泊先は大路にあるシェアハウス「フラワーハウス」。そこで、大路の方が集まって、懇親会を開いてくれるとのこと!何とうれしい!!!皆さん、ありがとうございます!乾杯!!
家長は花田匡平さん(写真右から2番目)。2012年に大阪から丹波に移住。キャンプ場「丹波悠遊の森」でアウトドアコーディネーターの仕事をしながら·、古民家を改装してこの「フラワーハウス」を開いたのが2015年。以来たくさんの人が集う場になっているそうです。
そして、大路の山内一晃さん(左から1番目)、小橋裕子さん(左から2番目)、ずっとアテンドくださった一般社団法人Beの代表、中川ミミさん(右から1番目)。幅広い世代の方々と一緒においしいお酒とご飯をいただきながら、語り合い、笑い合い、最高の時を過ごしました。
ご飯も美味しかったけど、花田さんが「ご近所」さんと一緒に育てた酒米を山名酒造さんで仕込んだ日本酒「花ひより」。これがおいしくて、おいしくて。酔っぱらって写真を撮り忘れました。19時に始まって、大いに盛り上がって気が付いたら23時過ぎ!4時間も時を忘れるぐらい、何を話したんだろう?
「丹波み~」っていうキーワードで盛り上がったのは覚えている!最近、「やさしさ」を「やさしみ」と言ったり、「よく分かる」という意味で「わかりみが深い」と言ったりするのが流行っているという話になって、「だったら、丹波っぽいという意味で【丹波み】ってよくない?」「丹波みが深い、とか?」と言って大笑いしていたんだ。
とても一日分とは思えないほどたくさんの心の動きを胸に、この日はフラワーハウスで久しぶりに熟睡したのでした。
2、3日目に続きます。
書き手:橘 紀子/名古屋市在住。2018年に始めて丹波を訪れ、自然と歴史が織りなす風土と人々のパワーに惹かれて通い始めました。これからもっと丹波の人たちとつながって魅力を発見していきたいと思っています。